タイの社会保険の利用方法
タイの社会保険の利用方法
疑問1. タイで働く上での社会保険制度はどのようになっているのかな。
疑問2. タイで仕事をしていて社会保険料を支払っているけど、どうやって使えば良いのか分からないな。
■自己紹介
2012年からタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
今回は、タイの労働省社会保障事務局:Social Security Office(SSO)の社会保険制度:Social Security Fund(SSF)に関する制度やその利用方法などについて解説していきます。
タイで働く民間企業の従業員は強制加入ですので、毎月社会保険料を徴収されますが、それだけ恩恵がありますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
支払ってきた社会保険料の一覧はSSOのウェブサイトで閲覧が可能ですので、この記事ではウェブサイトでの確認方法も解説します。
毎月支払っている750バーツは無駄にはならないので、しっかりと確認しておいたほうが良いです。
■目次
タイの社会保険の利用方法 – 病院
タイの社会保険制度は、一つの病院を指定することでそこの病院での治療費や薬代などが無料となる制度です。
指定病院であれば、1ヶ月間に何回病院に通っても無料となるので大変お得です。
タイで初めて会社に務める場合は、社会保険への加入手続きがあるかと思いますがその際に病院を指定します。
ただ、指定できる病院はサミティベートやバムルンラート、バンコク病院など高額で日本語対応の病院は指定することができません。
あくまでも社会保険に加入可能な病院のみですので、ご自分に合った病院を指定することがとても重要です。
それでも民間の病院を指定することが出来ますが、良くて英語が通じる病院がほとんどです。
ただ、自分に合わなくても必要な手続きを踏めば病院の変更は可能ですので、病院を変わりたいと考えられたらご自分で手続きするか、会社の総務などのタイ人に依頼して変更しても良いでしょう。
タイの社会保険 – カード
タイの社会保険に加入すると上の画像のような社会保険カードを受領できます。
日本でいうところの保険証となりますので、大事に無くさないようにしましょう。
社会保険カードに何が記載されているかと言うと下記の通りとなります。
- 1段目:社会保険番号
- 2段目:労働許可証番号
- 3段目:加入者名
- 4段目:カード発行日(左側)とカード有効期限(右側)
ウェブサイトでの登録・確認方法
SSOのウェブサイトは下記のリンクより閲覧出来ますので確認してください。
⇨SSOのウェブサイト
タイで働かれてきて今まで社会保険料を支払ってきた方は、このウェブサイトからこれまでの支払い履歴を確認することが可能です。
ちなみに筆者も8年前の履歴から確認することが出来ましたので、なかなか優れているシステムです。
リンクをクリックすると下の画像のような画面が確認できるかと思います。
英語に変更することも可能ですが、全ての文字が英語になることはなく部分的に英語に翻訳される程度です。
上の画像の青いボタンをクリックすると、登録画面に移行します。
利用規約のような画面に移行しますので、タイ語で何が書かれているか一先ず読めなくても、下側のチェックを入れるところにチェックを入れてその横の黄色いボタンを押せば次に移行できます。
ご自分の情報を入力していきます。上の画像を参考に入力を進めて下さい。
それぞれの情報を入力し、生年月日の部分は下記を参考にして下さい。
タイの誕生月は下の画像の通りタイ語になっています。
ご自分の誕生月を、下記のタイ語に照らし合わせて選択をして下さい。
タイの年は、仏暦で表示されていますので、誕生年の西暦に543を足して下さい。
例えば1980年なら + 543年で2523年となります。
最後のページはOTP(One Time Password)入力画面となります。
登録した携帯番号にパスワードが送られてきますので、それをフォームに入力します。
チェックを入れる箇所がありますが、そこにはチェックを入れなくても大丈夫です。
そしてクリックを押して登録完了です。
登録できれば、社会保険番号とパスワードでログインしてご自分の支払い履歴や登録病院の確認、病院の変更などの手続きをすることが可能です。
ログイン後、英語に変換して「Insured Person」をクリックするとご自分の情報を確認することが出来ます。
上の画像から、それぞれ確認できるので試してみて下さい。
タイの社会保険 – 還付
タイの社会保険で還付を受ける場合、社会保険には雇用保険が付与されているので多くの場合はこの失業保険が該当するかと思います。
失業保険を受け取る条件は、過去15ヶ月以内に6ヶ月以上社会保険を納めてきた方が対象とされています。
そして失業保険では自己都合による退職と会社都合による退職で、支給される額が異なります。
以下にSSOのホームページに記載の休業保険の内容をまとめていますので、参考にして下さい。
自己都合による退職の場合
出典元:sso.go.th
月額給与上限15,000バーツとし平均給与の30%を90日間。
計算方法:15,000バーツ×30%×3ヶ月=13,500バーツ
会社都合による退職の場合
月額給与上限15,000バーツとし平均給与の50%を180日間。
計算方法:15,000バーツ×50%×6ヶ月=45,000バーツ
タイの社会保険 – 年金
タイの社会保険には年金制度も付与されていますので、タイで15年(180ヶ月)の期間全て社会保険料を納めていれば、55歳の定年以降に年金を受け取ることが可能になります。
年金額は退職前の60ヶ月間の平均給与の20%とされていますが、平均給与の最高額は15,000バーツまでと定められているので定年前にどんなに稼いでいた方でも15,000バーツの20%ですので毎月3,000バーツが支給されます。
しかし、180ヶ月を超えて240ヶ月までは12ヶ月毎に1.5%上乗せされるので、最高で15,000バーツの27.5%となり毎月4,125バーツを受け取ることが出来ます。
以下にSSOのホームページに記載の年金制度の内容をまとめていますので、参考にして下さい。
180ヶ月で年金を受け取られる方
月額給与上限15,000バーツとし退職前60ヶ月間の平均給与の20%
計算方法:15,000バーツ×20%=3,000バーツ(毎月)
180ヶ月を超えて240ヶ月まで、平均給与の20%に12ヶ月毎に1.5%が加算されます。240ヶ月で年金を受け取られる方
月額給与上限15,000バーツとし退職前60ヶ月間の平均給与の20%
出典元:sso.go.th
計算方法:15,000バーツ×27.5%=4,125バーツ(毎月)
タイの年金も加入者が亡くなるまで毎月支給されるので下記の期間で元本を回収することが出来ます。
- 180ヶ月(750×180ヶ月=135,000バーツ)支払ったきた方は、3年9ヶ月(135,000バーツ)で元本を回収
- 240ヶ月(750×240ヶ月=180,000バーツ)支払ったきた方は、3年8ヶ月(181,500バーツ)で元本を回収
55歳から支給対象となるので、60歳以上はずっと利益となるわけですね。
掛け金が少ないので仕方がないですが、受給額は毎月少ない割に日本より優れいている年金制度ですね。
タイの社会保険 – 出産
タイの社会保険には出産手当も付与されています。
出産前過去15ヶ月以内に5ヶ月以上社会保険の支払いが必要とされています。
以下にSSOのホームページに記載の出産手当の内容をまとめていますので、参考にして下さい。
出産手当:1回につき13,000バーツまで(制限なし)
産休手当:月額給与上限15,000バーツとし平均給与の50%を180日間(2回まで)
出典元:sso.go.th
産休手当の計算方法は以下の通り。
15,000バーツ×50%×3ヶ月=22,5000バーツ
まとめ
如何でしたでしょうか。
毎月の掛け金750バーツの割に意外と保障内容がしっかりしているタイの年金保険です。
長期にタイで生活する方にとっては大変ありがたい制度ですね。
投稿者プロフィール
- 2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
タイ語通訳が必要な場合はお気軽にお声掛けください。
タイから日本への国際物流もお任せ下さい。
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