タイから犬猫を輸入

タイから犬猫を輸入

タイから犬猫を輸入

今回は、タイから犬や猫を日本へ輸入する手続きについてご紹介したいと思います。
日本側の輸入手続きが煩雑のため、タイから犬猫を輸出される際は、タイ側と密接に連絡を取り合わなければなりません。

基本的な流れは農林水産省管轄の動物検疫所に記載されている通りですが、タイでの事例を踏まえご紹介していきます。

■目次

タイから犬猫を輸入 – まとめ

先ずは大まかな流れについて、まとめからご説明致します。

  1. マイクロチップを挿入する
  2. 最低2回はワクチンを接種する
  3. 血液を採血してタイから外国へ血液を送り血液検査を実施する。
  4. タイ国内で180日間待機する。
  5. 日本の動物検疫上に輸入届出書を提出する
  6. 動物検疫所から「届出受理書」が送られてくるので、それをタイ側に送る。
  7. 犬猫をタイ国から出国される約10日前に病院で臨床検査を受けさせる。
  8. FormACで輸出国政府機関発行の証明書を取得する。
  9. 犬猫を各書類と共に日本へ発送する。
  10. 日本到着後に輸入検査を受けさせる。
  11. 何も問題がなければ輸入検疫証明書が交付され日本へ入国できる。

大まかな流れは上記の通りですが、タイ側との連携が非常に重要となります。
タイ側はなかなかスケジュール通りに進まないので、早めに対応する必要があります。

また、各注意事項がありますので以下に解説していきます。

手順1. タイから犬猫を輸入 – マイクロチップ挿入

タイから犬猫を輸入

まず初めに、日本へ輸入対象の犬猫の皮膚下にマイクロチップを埋め込みます。

このマイクロチップですが、動物検疫所からISO規格のマイクロチップを推奨されてます。
(ISO 11784及び11785, ISO:国際標準化機構)

また、マイクロチップを埋め込む前にワクチン接種した場合は基本は無効扱いされますが、特別な手続きを踏むことで認められる場合があります。

手順2. タイから犬猫を輸入 – ワクチン注射(2回以上)

タイから犬猫を輸入

マイクロチップを犬に埋め込んだ後、狂犬病予防注射を最低2回以上接種しなければなりません。

日本の動物検疫所で認められているワクチンの種類は下記の2通りのみです。

  1. 不活化ワクチン(inactivated / killed virus vaccine)
  2. 組換え型ワクチン(recombinant vaccine)

※いずれも国際獣疫事務局(OIE)の基準を満たしたものに限ります。
※生ワクチン(live virus vaccine)は認められません。

第1回目ワクチン注射

第1回目のワクチン接種は、以下の2点に注意して接種させる必要があります。

  1. 生まれた日を0日目として生後91日齢以降に接種していること
  2. マイクロチップの埋め込み日(同日でも可能)以降に接種していること

マイクロチップを挿入したその日に第1回目のワクチン接種をしても大丈夫です。

第2回目ワクチン注射

第2回目のワクチン接種は、以下の2点に注意して接種させる必要があります。

  1. 第1回目の狂犬病予防接種日を0日として30日以上の間隔を空けること。
  2. かつ、第1回目の狂犬病予防注射の有効免疫期間内に接種していること。

※この「有効免疫期間内」については、犬・猫の体内で免疫が持続する期間です。
製品ごとに異なりますので、接種した獣医師に確認する必要があります。

手順3. 狂犬病抗体検査(血清検査)

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第2回目のワクチン接種をした後、犬猫に狂犬病に対して規定値以上の交代価ができているかを検査する必要があります。
下記4点に注意する必要があります。

  1. 第二回目のワクチン接種日以降(同日でも可能)、有効免疫期間内に採血すること。
  2. 狂犬病に対する抗体価(免疫抗体の量)が0.5IU/ml 以上であること。
  3. 狂犬病抗体検査は、指定検査施設で行われる必要がある。
  4. 狂犬病抗体検査の有効期間は採血日から2年間です。

抗体価の検査は世界中にある検査施設の内、日本の農林水産大臣の指定する検査施設で検査を実施する必要があります。
世界中の指定検査施設はこちらから

注:タイには農林水産大臣の指定する検査施設がないため、外国に血清を送り検査してもらう必要があります。

外国の検査施設で検査してもらった証明書が送られてきますので、今度はそれを輸入届出書と共に日本の検疫所に提出します。

手順4. 輸出前待機(180日間以上)

タイから犬猫を輸入

犬猫は血液を採血した日から180日間以上タイ国内で待機しなければなりません。

  1. 犬猫は、採血日を0日目として180日間はタイ国内で待機させないといけません。
  2. かつ「狂犬病予防注射の有効免疫期間」及び「狂犬病抗体検査の有効期間(2年間)」内に日本に到着する必要があります。

もし180日間待機しないでタイ国を出国してしまったら?

もしタイ側が、180日の待機期間を待たずに犬猫を日本へ発送してしまったら、犬猫は日本に到着してから不足の日数分を日本の動物検疫所の係留施設で係留検査を受けることになります。

また当然ながら、犬猫が係留施設にいる間は費用が発生してしまいますので、タイ側に必ず180日待機させるよう指示しなくてはなりません。

日本到着日より前に狂犬病予防注射の有効免疫期間が切れてしまったら?

手順2.でも説明しましたが、犬・猫の体内で免疫が持続する期間を「有効免疫期間」と言います。
製品ごとに異なりますので、接種した獣医師に確認する必要があります。

もしこの有効免疫期間が180日だった場合、犬猫が日本に到着した時点では有効期間を過ぎてしまいます。
その場合は、タイから出国する前に狂犬病予防注射を追加接種しておく必要があります。

もし追加接種しなかった場合は、再度手順2.からやり直す必要がありますので、予め獣医師に確認する必要があります。

狂犬病抗体検査の有効期間(2年間)内を過ぎてしまったら?

万が一、タイから出国するのが狂犬病抗体検査の有効期間(2年間)を過ぎてしまったら、再度手順3.の血液抗体検査をやり直す必要があります。

2回目の狂犬病抗体検査(抗体検査②)を実施し、抗体検査②の有効期間(採血日から2
年間)内に日本に到着してください。
以下の3項目全てを満たす場合は、抗体検査②の後に、改めて輸出前待機(180日間以
上)をする必要はありません。

1. 1回目の狂犬病予防注射から日本に到着するまでの間、狂犬病予防注射の有効免疫期間が1日も途切れることなく、継続的に追加接種されていること

2. 抗体検査②の採血日は、1回目の狂犬病抗体検査(抗体検査①)の採血日を0日目として、180日間以上経過した日であること

3. 全ての狂犬病抗体検査の抗体価が0.5IU/ml 以上であること

引用元 : 日本に犬猫を輸入するための手引書

手順5. 事前届出の提出

犬猫が日本に到着する日の40日前までに、到着予定空海港を管轄する動物検疫所に事前届出をします。

犬の輸入届出書(PDF)/記入例はこちら(PDF)
猫の輸入届出書(PDF)/記入例はこちら(PDF)

輸入届出書の提出先:動物検疫所一覧(PDF)
※郵送・FAX・メールでの提出が可能です。
※インターネットを通じて提出することができます。詳細は下記からご確認ください。
NACCS(動物検疫関連業務):http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/system/49.html

届出受理書

動物検疫所に届出書を受理されたら、動物検疫所から「届出受理書」が送り返されてきます。

この届出受理書は、犬猫の日本への輸入時や、輸出国での手続き、
航空会社による搭載手続きの際に提示を求められますので、
プリントアウトして大切に保管されてください。

変更届出書

提出した届出書に変更内容がある場合は、変更内容を下記の変更届出書に記載の上、再度管轄の動物検疫所に提出致します。

変更届出書(PDF)
※提出方法は、届出書の提出方法と同じです。
※変更にあたり注意事項がありますので、下記に転載致します。

以下の変更は輸入検査に支障をきたすため、認められないことがあります。
・到着日を早めること
・輸入頭数を追加すること
・他の個体に変更すること
・到着予定日を過ぎてから輸入日程を変更すること

引用元 : 日本に犬猫を輸入するための手引書

手順6. 出国前の臨床検査(輸出前検査)

タイから犬猫を輸入

いよいよタイ国から出国する前に、民間の獣医師か政府機関の獣医官による臨床検査を受ける必要があります。

なるべく出国直前が望ましいと動物検疫所は言っていますが、搭載前の10日以内に検査すれば良いとのことです。

それでも、10日以内に検査に間に合わない場合は、管轄の動物検疫状にご相談される必要があります。

臨床検査の内容は犬猫でそれぞれ下記のとおりとなります。
【犬の場合】
■ 狂犬病及びレプトスピラ症にかかっていない又はかかっている疑いがないこと
【猫の場合】
■ 狂犬病にかかっていない又はかかっている疑いがないこと

手順7. 輸出国政府機関発行の証明書の取得

輸出国政府機関が発行する犬猫に関する証明書を取得します。

・証明書は民間獣医師が記載し、タイ国政府機関の裏書き証明(Endorsement)を取得します。
・Form ACに記載しきれない情報については推奨フォームの「Attach」を作成し、Form ACに添付する必要があります。

証明書フォーム
FormAC(PDF)/FormAC(EXCEL)
記入例はこちら(PDF)/日本語訳はこちら(PDF)
添付資料用フォーム
Attach(PDF)/Attach(EXCEL)
記入例はこちら(PDF)/日本語訳はこちら(PDF)

※輸出国政府機関とは
輸出国において動物検疫を管轄している政府機関(日本の動物検疫所に相当する機関)を指します。

※裏書き証明(endorsement)とは
輸出国政府機関による証明書の承認を指します。裏書き証明として、輸出国政府機関の獣医官の署名(直筆)、公印、所属機関名、証明日が必要です。裏書き証明が完備していない場合、輸出国政府機関が発行する証明書とは認められません。

タイから犬猫を輸入
FormACの下部がEndorsementとなっているのでタイ国政府に承認をしてもらいます。

重要事項:
・証明書の作成には鉛筆や消せるペンを使用しないでください。
・誤記の訂正に修正液や修正テープ等を使用することは認められません。訂正箇所に二重
線を引き、正しい内容を記載し、訂正者のサインと訂正日を記入してください。
・裏書き証明の取得後は、輸出国政府機関による訂正以外は認められないため、誤記の訂
正は裏書き証明の取得前に行ってください。
・輸出国政府機関により訂正された場合は、再度訂正箇所に裏書き証明を取得してください。

引用元 : 日本に犬猫を輸入するための手引書

証明書の事前確認

タイ国政府にEndorsement欄へ承認をもらう前に、FormACに記載された内容を日本の動物検疫所に事前確認されることをおすすめします。

必要事項を記入した証明書(FormAC)を、FAXやメールで「手順5.」で届出を受理した動物検疫所に送信する事で確認してもらえます。

万が一、FormACに記載された内容に不備があった場合、Endorsement欄に承認をもらった後では訂正は非常に困難となります。
また、書類に不備があった場合は、犬猫は最長180日間の係留検査または返送・致死処分となる場合がありますので十分注意する必要があります。

手順8. タイ国からの出荷

以上のまでの手続きを踏まえ、ようやく犬猫はタイ国から出国することができます。
輸送については下記の通りの注意事項があります。

輸入可能な空海港

犬については下記の空海港のみで輸入可能との事です。
猫については制限はないようですが、以下の空海港以外に到着する場合は事前に動物検疫上に連絡する必要があるようです。

■空港:新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港(羽田)、中部国際空港、関西国際空港、北九州空港、福岡空港、鹿児島空港、那覇空港
■海港:苫小牧港、京浜港、名古屋港、阪神港、関門港、博多港、鹿児島港、那覇港

しかし、係留施設で係留検査を受けさせる必要がある場合は、係留施設の設置のある空海港にて輸入する必要があります。
係留施設の場所はこちらから

犬猫の健康状態について

輸入する犬猫が下記の状態にある場合は、輸送や係留検査に適しません。

  • 幼齢、老齢
  • 妊娠中、授乳中
  • 既往症がある、病弱、投薬治療中(寄生虫駆除薬は除く)
  • 負傷している

しかしやむを得ず輸入する場合は、輸送や係留検査に耐えうるか、
民間獣医師に相談の上輸入者の責任の下で輸入する必要があります。

輸送ゲージについて

犬猫を輸送するゲージの大きさや種類については、利用する航空会社等に確認した上で選択する必要があります。

ゲージを選ばれる際は、犬猫が苦痛を感じず、逃亡の恐れがなく、安全に輸送できる物が好ましいです。

輸送形態について

輸送形態には、「携帯品(受託手荷物)輸送」と「貨物輸送」の2種類があります。
詳しくは利用する航空会社等にご確認ください。

携帯品(受託手荷物)輸送

客室持ち込みまたは貨物室に搭載して輸送されます。
貨物室に搭載された場合は、日本到着後に手荷物受取場等で引き渡されます。

貨物輸送

一般の航空(または船舶)貨物として輸送されます。
航空貨物の場合は「航空運送状(AWB:Air Way Bill)」
船舶貨物の場合は「船荷証券(B/L:Bill of Lading)」が発行されます。

日本到着後、犬猫は貨物地区の貨物上屋(保税蔵置場)に運ばれます。
動物検疫手続きの後、税関手続きを行う必要があります。

手順9. 日本到着後の輸入検査

日本へ到着した犬猫は、遅滞なく輸入検査を受けなければならないとされています。
まず、犬猫の状態を検査する到着時検査があります。

到着時検査

輸入検査

主に下記4点について重点的に確認します。

  1. 犬猫の健康状態「狂犬病」「レプトスピラ症(犬のみ)」に異常がないことの確認
  2. マイクロチップの番号が各証明書と一致していることの確認
  3. 証明書がタイ国政府機関発行である、またはタイ国政府機関の裏書き証明があること
  4. タイ国政府機関発行の証明書の記載内容が、日本の輸入条件を満たしていること

犬のみ狂犬病抗体価モニタリング調査

こちらは日本に輸入された犬のみが対象ですが、狂犬病抗体価保有状況の実態を把握するため日本到着時にランダムで採血を行い、狂犬病抗体価モニタリング調査を行う場合があります。
調査対象となった場合は、担当官から別途案内があります。

検査時間

最長で12時間以内とされていますが、通常は数時間程度で終わります。

問題があった場合

以上の検査を実施後、健康状態に問題があった場合や、書類の記載不備で問題があった場合には、次に説明する係留施設での係留検査を受ける事になります。

もしくは、係留検査を受けずに致死処分または返送を希望することもできますが、輸入者自身の責任と費用負担にて行われなければなりません。
致死処分は動物検疫所の担当官の指示のもとに行われます。
返送する場合は、タイの受け入れ条件を検疫当局や在タイ日本大使館に確認する必要があります。

係留施設での係留検査

日本への輸入条件を満たさない場合は、動物検疫状の係留施設で最長180日間の係留検査を受けなければなりません。

係留施設の場所

係留施設が設置されている動物検疫所は下記のとおりです。

【係留施設が設置されている動物検疫所】
空港:北海道出張所(胆振分室)、成田支所、羽田空港支所、中部空港支所、関西空港支所、福岡空港出張所、鹿児島空港出張所
海港:横浜本所、神戸支所、大阪出張所、門司支所、沖縄支所

輸入者の費用負担

下記の各項目についての費用負担は輸入者となります。

・到着空海港から係留施設までの輸送費(輸入者による輸送は認められていません)
・係留検査中の飼養管理費(餌、使用房の清掃消毒等にかかる費用)
・係留施設の光熱水道費
・獣医師の往診費(依頼した場合)
・係留中に返送または致死処分する場合に要する費用
・係留施設の修理等、原状回復にかかる費用
・その他の必要経費

引用元 : 日本に犬猫を輸入するための手引書

餌やりなどの管理

係留検査中の餌やりなどの管理は輸入者の責任で行います。
ただし、管理業者が常駐している係留施設では、管理業者に委託する事ができます。

【管理業者に飼養管理を委託できる係留施設】
成田支所、羽田空港支所、関西空港支所

その他の係留施設での餌やりなどについては、係留施設が設置されている動物検疫所に問い合わせる必要があります。

係留検査中の面会

面会時間や面会者に制限はありますが、犬猫が係留施設にいる間に面会も可能です。

注意事項

・係留検査中は、輸出国に返送する場合を除き、いかなる事情があっても、係留施設から犬・猫を持ち出すことはできません。
・動物検疫所では治療行為を行いませんが、民間獣医師による診療(往診に限る)は可能です。係留検査中に体調を崩した場合に備え、あらかじめ往診可能な獣医師を確保することを推奨します。
・係留検査中の犬・猫の健康管理及び係留施設の衛生管理の観点から、予防注射(混合ワ
クチン)の接種及び寄生虫の駆除[→参考3]を、事前に輸出国で実施してください。

引用元 : 日本に犬猫を輸入するための手引書

※詳細は動物検疫所のホームページをご覧下さい。
動物検疫所:犬・猫の日本への入国
手引書:犬猫を輸入するための手引書

タイから犬猫を輸入 – 輸入検疫証明書の交付

必要とされる係留期間を満了し、犬猫の健康状態に異常がないと認められれば、動物検疫所より「輸入検疫証明書」が交付され、犬猫は無事に輸入者の元に返されます。

以上がタイから犬猫を輸入する手続きとなります。
ご質問などある方は、下記のお問い合わせよりご連絡ください。

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投稿者プロフィール

能勢 優治
能勢 優治
2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
タイ語通訳が必要な場合はお気軽にお声掛けください。
タイから日本への国際物流もお任せ下さい。