タイから植物やサボテンを仕入れる方法
タイから植物やサボテンを仕入れる方法
タイから植物やサボテンを買い付けて、日本まで無事に輸入は出来るのだろうか?
■自己紹介
2012年からタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
今回は、タイから植物やサボテンを買い付けて、日本へ輸入する流れまでを解説していきたいと思います。
よく、日本への輸入には植物用のCITESや植物検疫証明書が必要と言われますが、その辺りも詳しく解説していきますので、
タイから植物の輸入に興味のある人は、ぜひ参考になればと思います。
■目次
タイから植物やサボテンを仕入れる方法 – 仕入れる植物の種類について
タイは東南アジアということもあり、日本では見かけないような様々な植物が売られています。
タイでの旅行でたまたま素敵な植物を見つけて、その植物を記念に日本へ持って帰ろうとする前に
必ず注意しなければならないのが、その植物がワシントン条約規制対象種に該当するかどうかを確認する必要があります。
植物の種類によっては、クロコダイルなどと同様にワシントン条約規制対象種に指定されている植物がありますので、
手荷物として植物を持って日本へ帰国する際には、必ず輸入検疫を受ける必要があり、
万が一持ち込んだ植物がワシントン条約規制対象種であった場合は、植物用CITESを輸入検疫の際に提示する必要があります。
(タイから日本へ航空便などで発送する際にも、インボイスなどど同様に植物用のCITESが必要となります)
もし、この植物用のCITESと、後に説明するPhytoを準備していないと、税関に没収されてしまいます。
ワシントン条約規制対象種かどうかの確認の仕方
まず、買い付けしようとする植物がワシントン条約規制対象に該当する植物かどうかをどのように確認すれば良いかについては、
買い付けしようとするお店に確認するのが良いかと思いますが、そこで重要なのが学術名の名前を確認することです。
タイでの通称名やお店が付けた名前などではなく、植物にもそれぞれ正式な国際的な学術名が定められていますので、
その学術名を買い付けするお店から聞き出す必要があります。
学術名は通常英語表記なので、英語での植物名を聞けば良いかと思います。
英語名での植物名を聞き出せたら、下記リンクからCITESに該当するかどうかを確認することが出来ますので、
是非、ご活用下さい。
タイから植物やサボテンを仕入れる方法 – 植物買い付け店について
そして、次に注意しなければならないのが、植物の買い付け店です。
上記で少し説明しました植物用のCITESは
実は、タイのCITESオフィスに登録されているお店から買い付けをしないと、CITESの発行が出来ないとされています。
タイのどこのお店で植物を買い付けしても、レシートがあればCITESを発行してくれるという情報もありますが、
実際に、タイのCITESオフィスに直接電話を掛けて確認したところによると、
タイのCITESオフィスに登録したお店から買い付けをしないと、CITESの発行は出来ないとのことでした。
では、どこのお店がCITESの発行を対応してくれるのかというと、
それは一つ一つタイの植物販売店に確認する方法しか、今のところ方法はないようです。
ただ、どうしても買付したい植物があって、その植物を販売しているお店がCITESオフィスに登録されていない場合は
個別にご相談に乗りますので、お気軽にご連絡下さい。
タイから植物やサボテンを仕入れる方法 – 植物の下処理
それでは、無事に植物の買い付けが終わったら、今度は日本へ植物を持ち込む前の下処理をする必要があります。
購入した植物販売店が対応してくれるところもありますが、
もし対応してもらえない場合は、面倒でもご自身で下処理をする必要がありますので、
ご確認下さい。
土や虫を取り除く
日本の「植物防疫法」で定められている通り、植物に土や虫が付着していますと、
輸入検疫の際に没収されてしまいますので、
必ず植物に付着している土は水で洗い流す必要があります。
また、非常に小さいダニのような虫が付着していても没収対象になりますので、
葉っぱなどは切り取ったりして、隅々まで細かく見る必要があります。
必要であれば、殺虫スプレーなどをサッと吹きかけるのも良いかも知れません。
梱包する
根っこ部分が剥き出し状態になった植物は、
新聞紙や雑誌などの紙に包むのが良いです。
タイから日本へ航空便で発送などする場合は、段ボール箱に梱包します。
そして、下準備が終わった植物は、輸出入に必要な書類作成のために、
下記で説明するタイの政府機関に持ち込む必要があります。
タイから植物やサボテンを仕入れる方法 – 輸出入に必要な証明書類
それでは、タイから植物を日本へ持ち込む際に必要な書類について説明していきたいと思います。
上記で下処理が終わった植物を、下記で説明するタイの政府機関に持ち込み職員の方に確認してもらい
各証明書を発行してもらいます。
タイから植物を持ち出し日本へ持ち込む際に必要な証明書類は、
ワシントン条約規制対象種に該当していれば植物用CITES、
それと、植物検疫証明書が必ず必要となります。
下記でそれぞれ詳しく説明します。
CITES
これまで植物用のCITESについて説明してきましたが、
植物用のCITESも、動物用のCITESと同じく3つの区分(附属書)に分けられています。
付属書Ⅰ
- 学術研究を目的とした取引は可能
- 輸出国・輸入国双方の許可書が必要
出典:経済産業省ワシントン条約について
付属書Ⅱ
- 商業目的の取引は可能
- 輸出国政府の発行する輸出許可書等が必要
付属書Ⅲ
- 商業目的の取引は可能
- 輸出国政府の発行する輸出許可書又は原産地証明書等が必要
これを見ると付属書Ⅰは一見、商業目的の取引は不可能なように見えますが
「商業取引を目的として繁殖させたもの」であれば、輸入許可が取れますので、
諦めずに良く確認されるのが良いと思います。
付属書ⅠのCITESの取得方法については、まずタイ側で輸出用のCITESを発行する必要があります。
タイで輸出用のCITESが発行されたら、日本の経済産業省へ輸入用のCITESの発行手続きを進めます。
付属書Ⅱ及び付属書Ⅲについては、日本側での輸入用のCITESは必要ないようです。
期間については、タイ側でのCITES発行には1日で発行出来たということを聞いたこともありますが、
タイ政府機関の仕事なので、余裕を持って1〜2週間程度を見ておいた方が良いかと思います。
では、タイのCITESはどこで発行可能なのかと言いますと、
タイのカセサート大学という大学のすぐ近くにCITESオフィスがあります。
タイへ旅行に来られた方が、下処理の終わった植物を持ってCITESオフィスへ行き、
ご自分でCITESを発行されるのは少々難易度が高い気もしますが
タイのCITES登録植物販売店あれば、CITES発行の代行を受け付けてくれるところが多いようです。
植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)
次に植物検疫書(Phytosanitary Certificate)について説明します。
タイの植物販売店などでは、通称「Phyto(ファイト)」と呼ばれています。
実は、上記で説明した植物用CITESについては、
ワシントン条約規制対象種でなければ必ずしも必要な書類ではないのですが、
こちらのPhytoについてはタイから植物を持ち出そうとする場合には必ず必要な必須書類になります。
ただ、これは必ずしもCITESのようにCITESオフィスに登録されているお店で購入する必要はありません。
タイのどこの植物店で購入した植物でもPhytoの発行は可能になります。
しかし、難点としては、わざわざカセサート大学に行きPhytoの発行をしなければならない点です。
ただ、下処理の終わった植物を持ってBTSを乗っていき、
「カセサート大学駅」で降りれば直ぐ目の前なので迷うことはないかと思います。
タイから植物やサボテンを仕入れる方法 – サボテン販売店
先日、バンコクのとあるサボテン販売店へ訪問して来ましたので、
その時のサボテンを少しご紹介させて頂きますので、ご興味のある方は参考にされて下さい。
ちなみにここのサボテン販売店さんは、CITES登録植物販売店ですので、
CITESやPhytoの発行はもちろん可能ですし、代行もしてくれます。
ピンク・ダイヤモンド
ベイビー・ピンク・ダイヤモンド
値段は上の成長しているピンク・ダイヤモンドとどちらも同じ価格です。
コリファンタ(Coryphantha)
ロビビア(Lobivia)
ちなみに、上の4つのサボテンはいずれもCITESが必要とのことでしたが、
CITESが必要ないサボテンはないかを聞いたところ、
下のサボテンならCITESは必要ないとのことでした。
個人的には、あまり魅力を感じられなかったので、名前などは聞かなったですが、
どなたか買い付けされたい方がいたら、名前を聞くことも可能です。
その他、サボテンファームの中はこんな感じです。
また、動画でもサボテンファーム内の様子を撮影してきましたので、良かったらご覧下さい。
タイから植物やサボテンを仕入れる方法 – まとめ
今回の植物をタイから買付して、日本まで持ち込む方法をまとめますと、次のようになります。
- 買付する植物がワシントン条約規制対象種かどうかを確認する
- 買付したい植物がCITESに該当する場合、買付するお店がタイのCITESオフィスに登録されているかどうか確認する
- 買い付けた植物の土や虫をキレイに取り除き、新聞紙などの紙で包む下処理をする。
- 植物がCITESに該当する場合はCITESの発行、そして植物検疫証明書(Phyto)は必ず発行する必要があるので、お店でCITESの発行やPhytoの発行を代行してもらえるかどうかを確認する。
- もしお店が代行出来ない場合は、ご自分で下処理の終わった植物を持ってカセサート大学やその近くのCITESオフィスに出向き必要書類を発行してもらう。
- もしお店が代行してくれなかったりご自分での書類発行が大変な場合は、弊社までお問い合わせ頂ければ代行致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
また、どうしても買い付けしたい植物があり、その植物を販売しているお店がCITESオフィスに登録していないため、
CITES発行が出来ないなどの場合は、個別ご相談を承りますのでお気軽にご相談下さい。
今回は、以上となります。
最後までご覧頂き、誠にありがとう御座いました。
まだまだあります、タイでの植物仕入れ情報。良かったらこちらもどうぞ。
タイ仕入れ「チャトチャック・ウィークデー・マーケット」 植物市場
タイ仕入れ「サナームルアン2」植物仕入れ
タイの植物やサボテンの仕入れは、こちらのタカラトレードまで⬇️
投稿者プロフィール
- 2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
タイ語通訳が必要な場合はお気軽にお声掛けください。
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