日本からタイへ化粧品輸出
日本からタイへ化粧品輸出
■自己紹介
2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
今回は、日本からタイへ化粧品を輸出する際の実務手続きについてご紹介したいと思います。
日本からタイへ化粧品を輸出するには、輸入側のタイ国で輸入される化粧品に対して輸入許可を与える政府の管轄機関で様々な輸入手続きが必要です。
今回は私が実際にタイ側で日本の化粧品に対して輸入許可を得た実例も踏まえ解説していきます。
日本でOEMの化粧品を製造された方がいれば、タイへ輸出して販売する方法について参考になればと思います。
日本からタイへ化粧品輸出 – 管轄機関
早速ですが、日本からタイへ化粧品を輸出する場合には、受け入れ側のタイ国で管轄している政府機関による輸入許可が必要です。
その管轄機関は下記の通りです。
The Food and Drug Administration Government office
ウェブサイト:FDA
住所:88/24 Tiwanon Rd, Mueang Nonthaburi District, Nonthaburi 11000
略してFDAと呼びます。
タイ国に輸入される薬や化粧品・食品などを検査し輸入許可を与える政府機関です。
場所はノンタブリー県内にあります。
日本からタイへ化粧品輸出 – 輸入許可までの手続き
タイ側で化粧品を輸入する「輸入者」は、必ずしもタイ現地法人である必要はありません。
日本の化粧品製造会社とタイ人個人が提携して、タイ側でタイ人個人がFDAに対して輸入許可を得て、タイ人個人がタイ国内で日本の化粧品を販売する事が可能です。
実際に、私が大阪にある化粧品製造会社へコンタクトし、タイ人の妻に輸入許可を取ってもらった経験があります。
その時の具体的な実例を解説していきたいと思います。
日本側で用意する必要書類
まず日本の化粧品製造会社からいくつか書類を用意してもらわなければなりません。
それが成分表と商品の説明書です。
化粧品を製造する上で、命とも言われる成分の配合量の記載がなければなりません。
この配合量は化粧品を製造する上では最も機密性の高い情報です。
配合量が分かってしまえば、その通り化合物を配合してしまえば同じ化粧品が製造可能ですので。
また製品を販売する上での説明書も合わせて用意する必要があります。
手順1. 必要書類を英語とタイ語に翻訳
成分表を翻訳
化粧品の成分表を英語に翻訳し配合量をパーセント表示で記載します。
下記の画像は実際に日本のある化粧品会社から頂いた成分表を、英語に翻訳した書類です。
会社名と住所、および代表者の名前を英語で記載しています。
※商品等を特定されないよう加工してあります。
配合量をパーセントで表示し、最後に製造会社代表の署名と社印を押印してもらいます。
商品の説明書を翻訳
商品の詳細を説明した内容を英語とタイ語に翻訳した上で、製造会社代表の署名および社印を押印してもらいます。
下の画像は製品の特徴や製品を販売する上での説明書を英語とタイ語に翻訳しています。
こちらも同じように会社名と住所を英語で記載しています。
※商品等を特定されないよう加工してあります。
商品の説明書は、タイ国内で販売するのに消費者に対して過度な表現や誇張された文言が入っていないかを確認するために必要な書類となります。
日本でも薬機法で宣伝広告で「肌が白くなる」という表現が禁止されているように、タイ国も同様にそのような表現が禁止されています。
そのような宣伝文言が入っていない事を確認するために必要となります。
手順2. 製造会社の所在地と地図
次に化粧品製造会社の所在地と地図を用意します。
この地図はグーグルマップからプリントアウトすれば十分です。
製造会社の所在地が分かるよう地図をプリントアウトして、
会社名と住所を英語で記入します。
このプリントアウトした地図の書類にも製造会社代表の署名と社印を押印してもらいます。
タイ側で用意する必要な書類
続いてタイ側で用意する書類です。
FDAに提出する申請書類は下のダウンロードから取得可能ですが全てタイ語です。
こちらにタイ側の必要事項を記載して、その他必要な添付書類を用意します。
その添付書類一覧が下の画像にある書類に書かれています。
タイ人個人が輸入者となる場合の添付必須書類は下記の通りです。
- 個人IDカード
- 住所登録証
- 製品の保管場所の登録証
- 製品保管場所の住所
個人事業主や法人の場合に必要な追加書類
- 法人として商務省への登録証
- 個人事業主として商務省への登録証
申請書と上記添付書類を用意してFDAへ提出します。
サンプル用意の必要性
サンプルに関しては必ずしも必要とされていません。
私の場合もサンプルは要求されませんでした。
しかし、FDAの担当官が必要と判断される場合があるので、
その場合はサンプルを用意しFDA担当官に渡さなければなりません。
一度渡したサンプルは戻って来ませんのでご注意を。
手数料
一つの商品に対して輸入許可を得るのにFDAに支払う手数料が発生します。
合計:1,000バーツ
【内訳】
書類代:100バーツ
輸入許可費用:900バーツ
輸入許可書
最終的に下記の画像のような輸入許可が与えられます。
製品の輸入時にはこの輸入許可が必要となります。
日本からタイへ化粧品輸出 – 輸入許可取得後
無事にタイ側で輸入許可が取れたら、商品を日本から発送準備に入ります。
その時に必要な書類が、インボイス・AWB(もしくはB/L)などの輸出書類です。
それらの書類もコピーで構わないですが、揃った段階で商品を輸出する前にFDAへ提出しなければなりません。
まとめ
如何でしたでしょうか。
タイ人向けに日本の化粧品をタイに輸入しようと検討されている方の参考になれば幸いです。
また、基本的には他の商品も日本からタイに輸出する際の手続きは同じような流れになります。
次回は、TISIと言われる工業製品を取り扱っている政府機関で玩具製品などに輸入許可を得る方法について解説していきたいと思います。
また、当社はタイ国との輸出入代行サービスを提供しております。
詳しくは下記のタカラトレードをご覧ください。
その他ご質問などある方は、下記のお問い合わせよりご連絡下さい。
投稿者プロフィール
- 2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
タイ語通訳が必要な場合はお気軽にお声掛けください。
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