タイ企業と取引した内容

タイ企業と取引した内容

タイ企業と取引した内容

こんにちは、トレジャー企画です。


今回は、当社が実際にタイ企業と取引を進めている案件について簡単にご紹介いたします。


本記事は良いお手本とはなりませんが、これからタイ企業と取引をご検討されている方の参考になれば幸いです。

■目次

  1. 結論から
  2. カプセルトイ編
  3. まとめ

タイ企業と取引した内容 – 結論から

まず結論から先に書きますが、

  • 信頼関係の構築が難しい
  • タイ企業に限らず海外企業との取引は先払いを基本に案件を進めた方が安全


ということが言えると思います。


具体的にどういうことか実例で説明致します。

タイ企業と取引した内容 – カプセルトイ編

昨年2018年末頃から、タイのあるアミューズメント企業(ここではN社とします)から、


タイでこれから日本のカプセルトイを一から取り扱いたいとの相談がありました。


当社と取引をさせて頂いている日系企業様と共同でガチャポン筐体の準備を進めさせて頂き、


実際にN社は数十台の筐体を購入されました。


しかしタイで運用していくためには、筐体用の専用コインを製造し且つコイン投入口も専用コイン用に改造する必要があります。


何故ならタイでは日本円硬貨は流通しておらず、タイの通貨であるバーツ硬貨では日本の筐体で運用することは出来ないためです。


さらに専用コインという事だけでは運用する事が出来ません。


何故なら他社が運営している日本製ガチャポンの筐体で使用している専用コインやその他偽造コインなどでも遊べてしまうからです。


ではどうすれば良いかと言うと


ガチャを取り扱う会社の専用コインとコイン投入口にそれぞれ凹凸を入れ
専用コインしか入らないコイン投入口に改造する必要があるのです。


要は、鍵の要領と同じで凹凸を一致させることで、専用コインがコイン投入口に入り込んでいくという仕組みを作らなければなりません。


ここではタイのガチャポン市場については割愛させて頂きますが
実際にタイで流通している専用コインとコイン投入口がこちらです。

そしてそれぞれの専用コインがこちらです。

各社ともコインの入り口とコインの形状が異なるのが分かるかと思います。


以上の理由から当社としては、N社に専用コインとコイン投入口の改造を請け負うとオファーするとN社の社長に快く承諾して頂けました。


しかし、実際には相手の思惑を感じ取れず様々な問題が発生しました。

専用コイン製造の委託先との打ち合わせ

先ず当社は、専用コインとコイン投入口の両方の製造を請け負ってくれる工場を探しました。


運良く適切な一社を見つけ、細かな打ち合わせをして見積書を頂戴しました。


専用コインの製造は思った以上に困難で、様々な条件をクリアしなければ筐体で運用する事が出来ません。


削る溝の幅と深さとサイズのバランスを考慮しなければ専用コインが製造できませんでした。

具体的なタイ企業とのやりとり

N社社長とは、タイ語でやり取りしていてある程度は信頼されているのではないかと思っていましたが、


お金絡みになるといとも簡単に信頼関係が崩れるという事を体験した一件でもあります。


実際はタイ語でしたがやり取りした内容がこちらです。

N社の社長

見積金額が非常識に高い。台湾で製造することにした。台湾なら1コイン3バーツ程で製造が可能だ




数日後。

N社の社長

台湾で製造した安価なコインでは筐体で運用ができなかった。やはり御社に全てお願いしたい。早々に進めたい

「見積もり金額の数十%程度でサンプルの製造が可能です」

N社:サンプル製造代金をお支払頂く

工場にサンプル製造の発注

N社の社長

「工場が設計した仕様(コインのサイズや重量、凹凸の深さ・幅・長さなど)を送ってくれ」

工場:「仕様は送らない」




さらに数日後。

N社の社長

「キャンセルしたい。韓国で製造してもらうので支払ったサンプル製造代金を返してくれ」

「既にコインの金型が出来ているのでキャンセルは受け付けられない」

N社の社長

「金型代を省いてサンプル製造代金を返してくれ」

「金型代はサンプル製造代金を超えています」

このやり取りの裏には、当初から当社が工場に依頼したサンプルの仕様書を、N社が台湾の企業に流用し安価な専用コインを作らせるという企みが働いていました。


それなら最初からデザインのみという事でN社と交渉し、工場側とも相談することが出来たのではないかと反省しています。


また、N社社長の思惑通りに案件を進めるべきだったと後悔しています。

サンプル品完成

タイ企業と取引した内容

そして、つい先日工場からサンプルが完成したとの連絡があり、サンプルを受け取りに行きました。


製造してもらった実際のサンプルがこちらです。


出来はかなり良く出来ていると思いますが、実際にこちらのサンプルが使用されることはありませんでした。

まとめ

以上をまとめると、


実際に、発注したサンプル製造代金は先払いで頂いていたので、実損失はありませんでしたが


N社と信頼関係を築いていく上でも、当社でサンプル代金を負担してでも次のビジネスチャンスに繋げていけるよう立ち回れなかった事を後悔しています。


「損して徳とれ」という事を実行に移せなかった良くないパターンでした。


この記事がどなたかの参考になれば幸いです。


ご質問などある方は下記のお問い合わせよりご連絡下さい。

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投稿者プロフィール

能勢 優治
能勢 優治
2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
タイ語通訳が必要な場合はお気軽にお声掛けください。
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