タイJTEPAの取得方法

タイJTEPAの取得方法
タイ商務省

タイJTEPAの取得方法

■自己紹介
2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
今回は、タイの原産地証明書と言われるJTEPAの取得方法について、わたくし能勢が単身一人でタイの商務省に乗り込み問い合わせをして来ました。

日本人がタイの商務省にフォームJTEPAについて問い合わせをするケースはあまりないかと思われますので、聞いてきた内容についてシェアをさせて頂きたいと思います。

タイJTEPAの取得方法 – 経済連携協定ついて

JTEPA

JTEPAとは、2007年11月1日に発効した「経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定」の事で、いわゆる「日・タイ経済連携協定(JTEPA)」と言われています。
※本協定の全文についてはこちらからご覧頂けます。

タイは平成31年4月1日に一般特恵関税制度(GSP)は全面卒業しましたが、
JTEPAに基づく特恵関税の適用は2019年12月現在でも可能となっています。

AJCEP

JTEPAと同じような協定で、AJCEPという協定もあります。
これは、2009年6月1日に発効した「包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定」の事で、いわゆる「日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)」と言われています。
※本協定の全文についてはこちらからご覧頂けます。

この協定の基づく特恵関税の申請手続きも、タイ商務省では基本的にはJTEPAと同じ流れとの事です。

タイJTEPAの取得方法 – タイ商務省と外国貿易局

タイJTEPAの取得方法
タイ商務省本部

JTEPAの登録や書類手続きを取り扱うのはタイ商務省の外国貿易局です。
今回は、タイ商務省の本部があるノンタブリー県に行ってきました。

スワナプーン空港にも外国貿易局の支局があります。
このスワンナプーン空港でも手続きが可能との事です。

タイJTEPAの取得方法 – 取得手続き

手順1. 登録
まずは、タイ商務省に登録する手続きから入ります。
登録できるのは、タイ商務省に登録されている会社である必要があります。
または、タイ人個人でも個人事業主としてタイ商務省に登録されており、商務省から証明書があれば登録することが可能です。

登録はこちらのタイ商務省のウェブサイトから登録できます。

手順2. カード受領
ウェブサイトから登録が完了後、書類をプリントアウトして担当官に提出し確認してもらいます。
書類に不備がなければ、写真撮影をして下の写真のようなカードを受領します。

左の青いカードは、タイの商務省に会社が登録されている事を証明するカードです。
右のオレンジのカードは、会社の代理人という事を証明するカードです。

フォームJTEPAの申請の際の登録は、会社の取締役でなくても従業員でも代理人として登録することが可能です。
ただし、代理人として登録する場合、法律に則った手続きを証明するため弁護士の署名付きの証明書を使用する必要があります。

手順3. 製品の課税区分を確認
タイから輸出する製品が、日本との自由貿易協定(Free Trade Agreement:略してFTA)のスキームで定められている特恵関税率の対象品で、かつタイ産であるかどうかを確認する必要があります。

手順4. 農業品か工業品か
外国貿易局内の各部門に対象製品が原産地としての資格があるかどうか検証してもらいます。
農業製品か工業製品かで手続きが異なります。

農業製品

H.S. Code(タイ) 01-24

原産地証明書取得のため、製品に資格があるかどうかを確認してもらうのに申請書に記入し下記添付書類を提出します。

添付書類:特恵関税率の使用を税関部門に依頼するために、原産地部門への製品の原産証明の依頼フォーム、インボイス(コピー可)、AWB(コピー可)、B/L(コピー可)

工業製品

H.S. Code(タイ) 25-97

工業製品を生産した生産者に証明書を記入してもらい下記添付書類と共に外国貿易局に提出します。

添付書類:特恵関税率の使用を税関部門に依頼するために、原産地部門から出された製品の原産の証明結果の書類、インボイス(コピー可)、AWB(コピー可)、B/L(コピー可)

手順5. 結果が出ます
製品の原産地証明の結果が出ます。

手順6. 電子署名
TOTもしくはCATという通信会社の部門でCAと言われる電子署名の入ったCDを購入します。

手順7. パソコンにプログラムを導入
1. Plug-inというプログラムをパソコンにインストールします。
2. 外国貿易局はInternet Explorerの使用を推奨しています。
3. 電子署名をパソコンに導入します。

手順8. システムから原産地証明書の申請
商務省のe-Serviceというシステムから原産地証明書を出力するために、
電子署名と全て情報のファイルをシステムから申請して原産地証明書の発行を依頼します。

手順9. 印鑑押印および署名
原産地証明書が発行されたら、外国貿易局に提出して署名と印鑑を押印してもらいます。

まとめ

以上です。
原産地証明書の発行は未だに手続きが難しく、タイの会社でも対応してくれる所は稀です。

中には、工場がマテリアルを仕入れる際に税金を支払っていないケースがあり、原産地証明書の発行を依頼されるとそれが発覚するのを恐れて断る会社もいるそうです。

ただ、タイから日本へ製品をいかに安く輸入するかは、関税を無税する影響はとても大きいです。

よくあるアンダーバリューなどのグレーな方法ではなく、
完全に合法的に輸入費用を安くする方法なので是非とも活用して頂ければと思います。

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投稿者プロフィール

能勢 優治
能勢 優治
2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
タイ語通訳が必要な場合はお気軽にお声掛けください。
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