日本からタイへ玩具輸出
日本からタイへ玩具輸出
■自己紹介
2012年からタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
今回は、日本からタイへ日本の玩具を輸出する際の細かい規制や手続きなどをご紹介したいと思います。
私が直接タイの政府機関に聞き込み調査した実体験を元に解説していきますので、日本からタイへ玩具などを輸出してタイでビジネス展開されていきたいとお考えの方の参考になればと思います。
日本からタイへ玩具輸出 – タイ側の輸入承認管轄機関
玩具だけでなく工業製品全般をタイへ輸入するにはタイ側の政府機関に輸入承認を得なければ輸入が出来ません。
そのため、玩具を日本から輸出しタイへ輸入するには、まずタイで輸入承認を管轄している機関に輸入承認を得る必要があります。
その機関というのがタイの工業省管轄で下記のタイ工業規格局です。
Thai Industrial Standards Institute
住所:No. 75/42 Rama 6 Road, Ratchathewi District, Bangkok 10400
ウェブサイト:TISI
通称:TISIと呼びます。
場所はヴィクトリー・モニュメントの近くにあります。
日本からタイへ玩具輸出 – 輸入許可までの手続き
日本からタイへ化粧品輸入でも説明しましたが、タイ側で輸入許可を得るのは何もタイ法人である必要はありません。
一般のタイ個人でも日本製品の輸入許可を得ることが可能です。
タイ側で輸入許可を取るまでの手順は、全てタイ語ですが右の写真にある通り記載されています。
輸入許可に掛かる期間と費用は下記の通り。
期間:約15日営業日
費用:3,000バーツ/1回
工場監査の場合:10,000バーツ/1日
下記に一つずつ解説していきます。
手続き1. 申請書類を記入
TISIへ提出する書類は下記からダウンロード可能です。
当然ながらタイ語ですが、これらの書類を全て記入します。
手続き2. その他提出書類を準備
・商品カタログ
商品の写真と説明書きが書かれているものが必須とされています。
日本語とタイ語での説明書きが必須とされています。
・製造工場の証明書
下記2種類の証明書が必須とされています。
製造工場の登記情報
製造工場が取得されている規格証明書(ISO/IEC 17067)
※ただし、適合性証明書(Certificate of Compliance)があれば上記の工場証明書は必要がないとされています。
手続き3. サンプルの必要性
サンプルについては必ずしも必要とはされていません。
私が聞き込み調査した段階では、TISI職員から「サンプルは提出してもらっても構わない」と言われていたので、出さなくても良いみたいです。
しかし商品の検査を早めるためにもサンプルは用意した方が良いと言えます。
以上、必要書類とサンプルをTISIに提出して製品の輸入検討をしてもらいます。
手続き4. TISI職員による工場監査と工場登録
TISIによる輸入許可検討の結果、製造工場の監査が必要とされた場合、
タイで当該商品を販売する人間の責任のおいてTISI職員を製造工場まで連れて行き、
監査を受けさせなければなりません
その際に掛かる出張費のホテルや航空券は全てタイ側が負担しなければならず、
かつ工場監査のために1日につき10,000バーツの費用をTISIに支払わなければなりません。
ここで、輸入許可検討の結果により工場監査が必要とされる場合と工場監査を必要としない場合がありますが、ほとんどの場合は工場監査が必要とされます。
そして、工場監査が終わったら工場の情報がTISIへ登録されます。
下記から、TISIが公表している登録済みの工場一覧が閲覧可能ですので、
参考までにご覧ください。
一回きりの輸入の場合
一度のみの輸入の場合は、工場監査は実施しないでも良いとされています。
その際に必要な書類は下記の通り。
・インボイス
・船荷証券(B/L)もしくはAWB
・パッキングリスト
これらの書類と商品カタログ、申請書類を提出すれば輸入許可を得られます。
また、輸入許可に掛かる期間と費用は下記の通り。
輸入許可に掛かる期間:約15日営業日
輸入許可に掛かる費用:3,000バーツ
日本からタイへ玩具輸出 – 規格マーク
無事に輸入許可が降りたら、製品にTISIの認証マークを添付しなければなりません。
TISI認証マークには、以下の2通りが存在します。
TISI強制マーク
このマークは海外からタイに輸入される商品に必ず貼付しなければならない強制マークと言われています。製品がタイ国内に輸入される前に貼付される必要があります。
TISI規格一般マーク
このマークはタイ国内で生産された商品に貼付されるマークで、マーク貼付は任意とされています。このマークを輸入された商品に貼付することは出来ません。
日本から輸出した玩具をタイへ輸入するには、上記の赤いマークである強制マークを貼付した上で輸入しなければなりません。
タイで販売されている日本製の玩具、例えばタカラトミー製品やバンダイ製品にはこの強制マークがきちんと貼付されて販売されています。
上記の強制マークが表示されていない商品がタイで販売されている場合は、正規の手順を踏まないでタイへ輸入されている可能性が非常に高いと言えます。
まとめ
如何でしたでしょうか。
玩具のみならず工業製品をタイへ輸入する際は以上のタイ側での輸入許可を得る必要があります。
タイ側で玩具への輸入許可を得るのはそこまで難易度は高くありませんが、どこの製造工場も輸入許可を得るためとはいえ機密情報を抱える自社内にタイの政府職員であるTISIによる工場監査へ入られる事を懸念するので、なかなか輸入許可が取れないのが現状となっています。
今回は玩具でタイ側での輸入許可取得の例を記載しましたが、工業製品全般この輸入許可を取得する必要がありますので、タイで製品を販売されたい方の参考になればと思います。
ご質問などある方は、下記のお問い合わせよりご連絡ください。
投稿者プロフィール
- 2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
普段からタイに滞在しています。
タイでの物販仕入れ、タイOEM生産、タイ現地のご案内などしております。
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